<運営理念>
私たち子供の家は、かかわるすべての子どもの権利を確保し、
最善の利益を追求するとともに、
地域・社会から信頼される実践を重ねます。
児童養護施設は児童福祉法に基づいて、家庭で生活できない子どもを養育する施設です。近年は、子どもの自立支援や、退所後の相談・援助も役割に加えられています。つまり、入所中のケアにとどまらず、子どもたちの人生に寄り添うのが使命ともいえます。
子供の家で生活する子どもたちは、一般の家庭と変わることなく地域の学校へ通い、地域の子どもと遊んでいます。緑に恵まれた園庭には、子どもたちの元気な声がひびきわたります。
子どもの年齢は2歳から18歳の高校卒業までが基本ですが、必要に応じて22歳まで入所を続けられるようになりました。高校卒業と同時に社会に出て、独力で生活をするのは容易でありません。現在、子供の家では10人を超える入所者が、高校を卒業して大学・専門学校・会社等に通っています。
また、「子どもの貧困」が社会問題となるなか、地域との連帯によって子育て世帯やわかものをどのように支えていけるか、現在模索しているところです。長年検討を続けてきた地域センター(仮称)は2021年度開設予定です。
設置主体 | |
---|---|
入所定員 |
全体48名 本園30名 グループホーム(国型)6名×3 |
年齢 | 2歳~22歳(男・女) |
理事長 | 江川 修己 |
施設長 | 早川 悟司 |
1949年12月10日 | 子供の家 設立 |
---|---|
1950年02月15日 | 養護施設認可を得る |
1958年07月04日 | 社会福祉法人子供の家設立 |
1972年04月01日 | 三棟建設 40名定員となる |
1977年04月01日 | 各棟に調理場を設置 中舎制養護開始 |
1993年04月01日 | 養護施設新築 小舎制養護開始 |
2004年09月15日 | 第一分園開設 |
2005年07月01日 | 第二分園開設 |
2005年11月01日 | 清瀬市よりショートスティ事業の委託を受ける |
2006年11月01日 | 東久留米市よりショートスティ事業の委託を受ける |
2016年04月01日 | 本園生活棟全面改築 |
2018年04月01日 | 豊島区よりショートスティ事業の委託を受ける |
2018年11月01日 |
第三分園開設 |
1969年生まれ。日本福祉大学大学院卒。社会福祉士。
都内2か所の児童養護施設勤務を経て、2013年4月より子供の家副施設長・自立支援コーディネーター、2014年4月より現職。
共著『子どもの未来をあきらめない ―施設で育った子どもの自立支援―』明石書店、他
<施設長よりご挨拶>
日々、子供の家を様々なかたちでお支えいただき、心より感謝申し上げます。
子供の家は1949年より、清瀬市松山のこの地で歩んでまいりました。 その間、子どもをとりまく社会環境は著しく変容しています。 当初の主要課題であった「戦災孤児」の保護が不要となった現代も、私たちの役割は尽きません。 「子どもの貧困」、「子どもへの虐待」といった新たな社会問題が浮上するなか、私たち子供の家もこれらへ対応すべく不断に成長することを決意しました。 しかし、自己責任論が支配的なこの国で、未来を担う子どもたちを真に護ろうとするならば、地域・社会の連帯が不可欠です。
子供の家で生活する子どもの「いま」と「これから」にしっかりと責務を負い、さらに地域・社会で果たすべき役割を追求してまいります。 皆様方のご鞭撻と忌憚のないご意見を賜りますよう、お願い申し上げます。
理事長(1) | 法人を代表し、3つの事業所を統括しています。 |
---|---|
施設長 (1) | 施設を代表し、運営の指揮を担っています。 |
ケアスタッフ (45) | 各ホームで、子どもたちの日々のケアと、食事づくりを含めた家事全般を担っています。また、子どもの自立支援や退所した後の相談・援助も行います。 |
事務 (3) | 金銭管理をはじめ、施設の事務を担っています。 |
家庭支援専門 相談員 (2) | 子どもの家族や、児童相談所をはじめとする関係機関との連絡・調整をしています。 |
個別対応職員 (1) | 子どもや退所者等の社会的自立を支援します。 |
職業指導員 (1) | 子どもや退所者等のキャリア形成を支援します。 |
心理士 (3) | 個別の時間をとって、プレイセラピーやカウンセリング、ライフストーリーワークなどを行っています。 |
自立支援コーディネーター(1) |
ケアスタッフと協働して子どもとともに将来の生活や進路を考え、退所後の相談・援助を含めてコーディネートします。 |
グループホーム 支援員 (1) |
3つのグループホームの運営をサポートしています。 |
里親支援専門 相談員 (1) | 児童相談所と連携して里親家庭を支援します。 |
栄養士 (1) | 毎日の食事献立をつくり、各ホームの調理をサポートしています。 |
看護師 (2) | 子どもの健康面のケアを行っています。 |
環境整美員 (1) | 各ホームや構内の環境を整美しています。 |
嘱託医師 (2) | 小児科医1名、児童精神科医1名が、子どもの健康維持や、より良いケアに向けて職員へ助言をしています。 |
スーパーバイザー (2) | 職員がより良くまとまれるよう、研修や会議等での助言をしています。 |
有働 浩子(うどう ひろこ:清瀬市内社会福祉関係者)
我謝 美左子(がじゃ みさこ:学識経験者)
佐野 みゆき(さの みゆき:弁護士)
日本の社会的養護の現状と課題について、シリーズでお伝えします。
①組織・施設運営
a. 法令や児童福祉のニーズに基づいて、業務の適正化および標準化を図る。
b. 施設の理念、方針、計画、基準を明確にし、全職員がこれを尊重する。
c. 施設運営の透明性を確保し、外部監査の活用等による客観的分析にもとづいて運営向上・改善を進める。
②権利擁護
a. 常に子どもの最善の利益を考慮し、子どもの意見を踏まえた養育・支援を行なう。
b. 施設内外の研修等を通じて全職員が人権感覚を磨き、日常の支援を点検する。
c. 第三者委員の配置をはじめとする苦情解決システムの整備や『子どもの権利ノート』の活用等により、子どもが自らの権利を知り、意見を表明しやすい環境をつくる。
③生活支援
a. 子どもの安全・安心を第一義とし、暴力のない施設を実現する。
b. 常に清潔で快適な生活環境を整え、多職種の連携によって生活の質を高める。
c. 子どもと職員の信頼関係に基づいた養育を確立する。
④自立支援
a. 子どもの「強み」に着目し、育てるとともに、日々の生活の中で自己選択・自己決定を可能な限り尊重する。
b. 子どもの意向を充分に踏まえた自立支援計画書の策定により、子ども自身と職員が展望を共有する。
c. 家庭復帰が適当とされる場合を除き、高校卒業を最低限度として入所支援を継続する。また、高校卒業後も20歳までの措置延長および22歳年度末までの支援継続を積極的に活用する。
⑤退所後の相談・援助
a. 施設退所後の孤立の防止を第一義に、全ての退所者を対象に相談・援助の体制を整える。これについては、入所中から全児童に対して説明を行なう。
b. 退所後援助計画書や援助記録、アフターケア実施状況一覧等を用いて、可能な限り退所者の生活状況の把握・可視化に努める。
c. 「アフターケア実施要項」にそって必要な相談・援助を実施する。これらはそれぞれのニーズにそって、必要な社会資源と退所者をつなぐことを第一義とする。
⑥家族支援
a. 家庭復帰が望めるか否かにかかわらず、子どもの安全が保てる限りにおいて家族との関係を最大限に尊重し、手紙や電話等の通信、面会、外出、一時帰宅、学校行事への参加等、交流の機会を確保する。
b. 家庭復帰に向けては家庭の養育環境の改善に向けた支援を他機関と連携して行い、措置事由再発のリスクへの対応をはじめ慎重な検討を行う。
c. 家族との関係について、子どもが適切な理解を得られるように必要な支援や説明を行なう。交流が途絶えた場合も、その理由について子どもに責任がないことも含めて説明し、里親、週末里親の活用を含めて代替支援を検討する。
⑦地域・里親支援
a. 地域の行政・福祉・教育機関等との協働関係を構築し、地域の子育て支援ニーズを把握する。
b. 施設が地域・社会で担うべき役割を明確にし、全職員共有の下で実践する。
c. 里親・ファミリーホームに対して、施設が保有する情報・知見・ネットワークその他の資源を可能な限り提供する。
⑧人材育成
a. 職員個々の強みが活かされ、長く働き成長できる職場環境をつくる。
b. 個別の職員の目標や施設からの役割期待に沿って、施設内外の役割を担い、計画的に研修等へ参加する。
c. 各職員の職歴・職種・経験を活かしたOJTや学び合いの仕組みを整備する。
⑨機関等連携
a. 学校・児童相談所・子ども家庭支援センター等の関係機関とは適切に情報を共有し、児童支援に関わる協働関係を構築する。
b. 全国児童養護施設協議会や東京都社会福祉協議会児童部会をはじめとする業界関連組織の活動に積極的に関与・協力し、全体的な運営水準の向上に貢献する。
c. NPO法人をはじめ児童支援に関わる団体等との連携を深め、これらの発生・発展を支援する。
⑩社会啓発
a. 実習生やインターン、ボランティア等の積極的な受け入れを通じて、開かれた施設運営を行なう。
b. 地域や関係機関(研究機関や報道機関を含む)からの問い合わせには、児童のプライバシー保護をはじめ必要な配慮を行なった上で適正に応じる。
c. ホームページの活用、後援会の活動、各種学習会への積極的な参加等によって、社会的養護への理解を広める。
準備中
準備中